アプライドキネシオロジーの創始者、ジョージグッドハートは、脊柱の椎間孔の五つの要素のうちのひとつ、経絡と筋力の関係についての考察をしました。その結果、ある経絡の流れがとどこおると、特定の筋肉の力が弱くなることを発見しました。このことで、逆に経絡を調整することで、筋力が回復するという手技を発案します。
経絡とはなにか
経絡を辞書で調べるとこのように書いてあります。参考辞書【広辞苑】
けい‐らく【経絡】 ①漢方医学で気血が人体をめぐり流れる経路をいう。手足より発するものおのおの三陰三陽の十二経路と腹背の正中線を走る二つの脈を合わせて十四経路といい、これに付属して361の経穴があって全身に分布。血管系・リンパ系・神経系とは別の特異な循環・反応体系。狂言、針立雷「―がちがひます」→十二経→経穴。 ②筋道。脈絡。
ちょっと難しいですが、全身をめぐる流れの中で、血管系・リンパ系・神経系とは別の循環と書かれているように、目には見えない特殊なエネルギーの循環を言います。
始まりはなく、終わることもなく、ぐるぐると全身を目に見えない電車が走っているような感じです。
電車には駅があり、それは経穴と呼ばれています。経穴はエネルギーの循環を滞ることなくめぐらせる、それそれの役目があります。
アプライドキネシオロジーでの経絡へのアプローチ:検査
目に見えない経絡にどのようにアプローチできるのか。
経絡は目に見えないエネルギーの流れですが、滞ったら対応する筋肉が弱くなります。
なので、アプローチによって筋肉が強くなったら、その経絡に問題があったということになります。
そして、アプライドキネシオロジーにはとても便利なTLという手法があります。
TLについては他の記事がありますので、参考にしてください。
TLを使って、どの経絡が問題か検出することが出来ます。
アプライドキネシオロジーの検出方法で代表的なものは、脈診と募穴へのTLです。
鍼灸治療による脈診は、長年の経験を要しますが、アプライドキネシオロジーではTLを武器に問題の脈を検出できます。
脈診で得られた結果と、募穴へのTL陽性で、その経脈になんらかの問題があることがわかるのです。
アプライドキネシオロジーでの経絡へのアプローチ:調整
経脈へのアプローチは様々な方法がありますが、ここでは当院でよく使う【表裏のエネルギー】の法則を用いたアプローチ方法についてお話します。
例えば、脈診で【大腸経】の問題が検出されたとします。
このときに弱化する筋肉は、例えば大腿筋膜張筋という大腿部の筋肉です。腰痛や下肢の問題にも大きくかかわるこの筋肉は、大腸のエネルギーの流れの不具合によっても弱化することがあるのです。
次に大腸の募穴の【天枢】おへその横にTLします。
大腸へのエネルギーの不均衡が、大腸だけで起こっているなら、このTLにより、大腿筋膜張筋の筋力は正常に戻ります。その時は大腸の施術ポイントに刺激を与えます。
大腸の施術ポイントに刺激を与えたあと、TLなしで大腿筋膜張筋の筋力をはかれば、筋力は正常に戻っています。
しかし、時には大腸のエネルギー不均衡の問題が大腸のもっと前で起こっていることもあります。
経脈は止まることのない電車のようなものです。
大腸という駅にたどり着くまでにへとへとになった電車は、どこかの駅でエネルギーを使いすぎたのかもしれません。
それを検出するのもまた、TLを使います。
電車の流れの逆向きに募穴TLを行い、大腿筋膜張筋が正常にもどるポイントをみつけます。
例えば、大腸の三つ前の駅は【胆嚢】です。胆嚢の募穴である【日月】というポイントにTLしたときに大腿筋膜張筋が回復するのなら、刺激は胆嚢の施術ポイントに与えます。
この場合、胆嚢の駅でエネルギーを使いすぎ、または補充できなかったために大腸へのエネルギー不均衡が起こっているといえます。
このように、TLという手法と経絡へのアプローチはとても相性がよい施術方法と言えると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
筋肉の弱化の原因は、運動不足だけではないことがお分かりいただけましたか?
経絡の不均衡によっても筋力は弱化します。
この場合、トレーニングをしても筋力の回復は難しいかもしれません。
経絡の滞りによって、筋肉へのエネルギーが足りていない状態で無理やり運動をすることで、逆に不具合が起こってしまうこともありそうですね。
その筋肉の力が足りないために、本来の働きではない筋肉が動きを補う働きをして痛みが出ることもあるかもしれません。
まずは、筋力が正常に戻った段階で、トレーニングを始めるほうが安全だと思います。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
また、他の記事でお会いしましょう!玲でした♪
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